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2016年6月19日 (日)

名古屋城天守閣木造復元、あわてるな!

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6月14日から市議会6月定例会が開会。この議会は河村市長がすすめる2020年7月東京五輪までに名古屋城天守閣を木造復元に舵をきる設計費などの補正予算が認められるかどうか、それが大きな議案です。

これまで天守閣木造復元をすべきかどうか、タウンミーテングや市民アンケートを行ってきた。5月に実施された2万人市民アンケートの結果は、1「2020年7月までに木造復元すべき」21.5% 2「2020年にこだわらず木造復元」は40.6% 3 「現天守閣の耐震改修工事を行う」26.3という結果が出ました。市長提案はアンケート結果では3位。市長の提案支持は2割しかないにも関わらず市長は、木造復元は時期にこだわらないという結果も加えて、6割であるから、木造復元を強引にすすめる予算を提出しました。

17日に開かれた本会議で天守閣木造化について議論が交わされました。

共産党の江上博之議員が質問にたちました。市民2万人アンケートでは、「2020年7月までに優秀提案(竹中工務店の提案)による木造復元を行う」と回答した人は21.5%。日本共産党の江上博之議員が、「2020年7月までに木造復元」という「市長提案が市民から明確に否定された事実を認めないのか」と追及しました。


 これにたいして河村市長は、「(市民アンケートで)竹中工務店の提案を『理解できた』と回答した人に着目すると、『2020年7月までに』と回答した人がすごく高い」と答弁しました。しかし、竹中工務店の提案を「理解できた」と回答した人でも、「2020年7月までに木造復元を行う」と回答した人は32%にすぎず、「2020年7月にとらわれずに木造復元を行う」と回答した人が42.7%と上回っています。理解できた人にも、「2020年7月まで」という市長の方針は支持されなかったのです。この事実を認識できず、2020年7月までの木造復元を進める「補正予算案は民意を踏まえた提案」だと開き直る河村市長。江上議員は、「他人には民意を求め、自らは民意を無視するのか」と批判しました。


 河村市長は、「天守閣のIS値が0.14%と驚くべく低い」とにわかに言い出しています。しかし、この数値は、5年以上前に河村市長のもとで実施された耐震診断で示されています。江上議員が、「『IS値0.14』が判明しても、木造復元を唱えて、耐震対策を5年以上も行ってこなかったのは、ほかならぬ市長自身ではないか」と迫ると、自民党席などから「そうだ!」の大きな声。5年以上前の耐震診断書は「見たことは見たと思うが、数字は記憶していなかった」と答弁した河村市長。耐震診断書をしっかり見ていなかったことを反省するどころか、「危険だから、木造化を急げ」というのは余りに身勝手です。


 「税金は使わない。入場料収入で賄う」という河村市長。計画入場者数は、完成年度の2020年度は、現在の2倍の331万人、2021年度446万人、2022年度401万人、2023年度から2069年度までの47年間は360万人が継続というものです。江上議員は、「計画入場者数に達せず、税金投入となったら責任を取るのか」と追及しました。河村市長の答弁は、「熱田神宮が670万人。初詣を引くと400万人」と、相も変わらず、熱田神宮を引き合いに出すことしかできませんでした。

江上議員は、魅力ある名古屋城というなら、名古屋城全体をもっと整備するべき。北東隅櫓、多門櫓の再現、市長の言う伝統工芸の職人技術の継承も十分可能。あわてて木造化するのでなく、まず、現天守閣の耐震化とコンクリートの劣化補強を行い、石垣整備、庭園整備、櫓整備を含め名古屋城全体の整備を進めるべき。

市長の2020年オリンピックまでの木造化は市民に明確に否定されました。であるなら、この議案は撤回しかない。議案の撤回を求めると最後に述べました。
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