福島を忘れない
コープあいち生協小幡店2階で今日は”福島を忘れない”というテーマで福島県から避難されてきたお母さんの話を聞き、私たちにできることを考えてみようという企画が行われました。主催は、原発いらないキャンドルウオーク実行委員会です。私は、元生協商品検査センターの課長としてチェルノブイリ原発事故の時に放射能検査を行っていたこともあり、食品の放射能検査の実態についての話をしました。
<いわき市から避難のお母さんの話>
福島県のいわき市から避難されてきたMさんから、地震が起きた時のことと避難に至るまでの話を聞きました。3.11が起きる前に小さな地震が起きていたので、大きな地震がくるかもしれないから荷物をまとめていたのがよかったということ。水をもらうために並んでいたので、日ごろから水を蓄えておくといいという話もありました。いわき市は原発から35kmのところで避難区域には指定されなかったので、自主避難を決断するまでに、ご主人と意見が分かれて、1年ぐらいはご主人はいわき市に、お母さんはこどもをつれて愛知県の尾張旭市(お母さんの実家)と家族が離れてすごすことになったということでした。今は、ご主人も愛知県で生活されているということでした。母親は、子どもの健康影響を心配して避難したいが、父親は、職を辞めてあらたな土地で職をみつけることができるかと決断するのは、難しく、夫婦で意見が一致せずに別れるという場合もあるようです。
お母さんは、こどもがどれくらい被曝して、どれくらい健康を害していくのかが心配で、何かこどもの異変があったときに、被曝によるものなのかと不安でならないという話を聞くと、本当に心が痛みます。国や県がこどもの検査を行ってくれるけれども、検査結果がすぐに報告されない。甲状腺がんは早期発見されれば、治療して治るというが、今はエコーの検査が半年に1回、血液検査は年に1回。という話を聞いて、お母さんたちは、自分のこどもが健やかに育っていけるのかという不安をもちながら子育てしなければならないのは、たまらなく、重たく思えてなりませんでした。福島県民や放射能の被曝に不安のあるこどもたちの健やかな育ちを保障する健康診断や治療が無償で受けられるようにすべきだと思いました。
お母さんたちは、愛知県の避難者のみなさんたちで、「あゆみR.P.Net」という会をつくられて、情報交換をされているとのことでした。当事者の苦しみを当事者以外の人たちに聞いてもらい、少しでも理解してもらえたらという思いでお母さんはお話しされました。普通のお母さんが、勇気を出してお話しされたんじゃないかと思い、胸のうちを話してくださったのに、感謝をしなければと思いました。
<放射能検査の話>
私は、スライドを作成して、国や自治体の食品検査の実態を報告しました。事故から3年半。食品の検査基準値は、年間1ミリシーベルト以下に追加被曝量をおさえるように設定され、基準超過した食品が出回らないように自治体で検査をしていること、名古屋市もしっかりと検査をしていることなどを報告しました。基準超過するものは少なくなり、汚染しているものは、一部の山菜、たけのこ、水産物(底魚)に限られていることも報告。参加者からは、「食品偽装」されていたら、どうなのか、わかめは大丈夫なのか、百貨店で福島応援セールで桃が100円ぐらいで安価に販売していたが安すぎるのでは、と質問が出されました。
食品偽装は、加工者のモラルの問題であり、行政監視を強めることが大事かと思うけれど、産地偽装をどうやって科学的にチェックするかは、難しい問題です。ワカメは放射性物質は検出されないと回答。モモの100円はあまりに安くて生産者の生活が保障できない値段だと思いました。福島のモモのブランドが下がっているのは、風評被害です。セシウムは検出限界以下になっています。福島産というだけで、福島の産物が売れないというのは風評被害。一品一品気になるものがあれば、福島県のHPでチェックすることをおすすめします。
<私たちにできることは?>
福島の避難生活を送っているかた、避難せずに暮らしている人も、放射能のことを毎日毎日心配していたら、くらせない。こどものからだが心配だけれど、定期的に健康診断、検査を行って健康管理をしていくしかないのじゃないか。そう思いました。福島の人たちのことを知り、理解することから始まるのかなと思います。
放射能は目に見えないから、こわい。正しくこわがることが大事です。・・・というお話は、今回はあまりしませんでしたが。できるだけリスクをさけることが大事です。
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