リニア新幹線の環境影響評価公聴会
本日は名古屋市主催のリニア新幹線の環境影響評価準備書に対する意見の概要及び当該意見についての事業者の見解(愛知県)について、名古屋市が意見書を出すために、市民の陳述をもとめる公聴会が開かれました。
陳述人は7名、公聴会の参加者は60名ぐらい?でしょうか。
7名の陳述人は全員が、リニア新幹線計画の問題点を指摘し、白紙にもどせと陳述しました。
JR東海が参加しない中で行われた公聴会。事業者は市民の生の声を聴こうとしないのは、許しがたいことです。
最初に陳述された中川たけお先生は、環境影響評価の部分が、予測条件がでたらめであるなどと、160ページの事業者の見解文を子細に指摘されていました。新幹線公害の訴訟をされてきただけに、9兆円ものお金を使う前に、現在の新幹線の環境悪化対策をすべきだと言われたのに、納得しました。
私は、名古屋市のめざす”低炭素都市”、”生物多様性”、”水の輪復活”という環境都市像に照らして、リニア新幹線計画によって、環境破壊、環境にやさしくないと指摘しました。
在来新幹線の3倍以上の電力を消費するリニア新幹線。私たちは、3.11以後原発ゼロへ、自然エネルギーに転換する道に踏み出す決意をしたはず。エネルギーを浪費するリニア新幹線を選ぶのか?
愛知県、長野県の山間地に生息するオオタカや湿性植物 など貴重な動植物が生息しています。貴重な生態系は地下水などの微妙なバランスの上に成り立っています。この豊かな生態系を乱しかねないリニア新幹線はCOP10の精神、生物多様性の精神と相容れません。
3点目、水環境、地下水の問題です。リニア新幹線により地下水への「影響はない」とする根拠がはっきりしていません。山梨リニアの実験線の延伸工事で地下水が枯渇した問題が起きました。この井戸枯れについて、原因も究明できていません。市内のルート上にある井戸への影響を具体的に検証すべきです。また、上流部での廃棄土砂の仮置きなども含めた環境への負荷は、下流部の都市住民として容認できません。
名古屋市はリニア新幹線開業を前提にした駅前の再開発をすすめようとしていますが、リニア新幹線が、本当に必要なのか、採算はとれない、赤字だと社長は言っています。
建設の目的に、東京・名古屋・大阪を結ぶ輸送の二重系化をあげています。大規模地震に備えて、東海道新幹線の耐震改修は必要です。さらに代替機能をもたせる新幹線を1本整備するということであれば、その必要性は理解できますが、リニア新幹線は全く技術の異なる新幹線。代替機能は果たせません。また、大規模災害発生時に必要なのは旅客機能ではなく物資の運搬機能です。リニア新幹線の必要性は疑問です。
リニア新幹線計画、様々な問題をかかえる事業。新幹線に乗る機会は少なくても、JR東海の電車を日々利用している私たち守山区民のくらしに大いに関係してくるのではないでしょうか。リニア新幹線のルートは下図の通り、守山区の瀬古地域の地下40mを走るそうです。非常口は庄内川を隔てた春日井市に設置予定です。トンネル工事で出る土砂をどこに置くのか明らかにされていません。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント