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2007年10月14日 (日)

日本の医療が危ない

1006honda 10月6日栄の明治生命ビルで全日本民医連東海北陸地方協議会と東海ドクターウエーブ実行委員会の主催で、”日本の医療が危ない!地域医療を守る東海のつどい”が行われた。愛知県内で産科を統合していく病院がふえ、守山市民病院の産科受け入れの中止問題をなんとしても解決したいという思いで、私は、守山市民病院を守る会のみなさんたちといっしょに参加をした。参加者は250名、2/3が医療関係者で、テレビ局のカメラも入って、注目のつどいでした。講師は埼玉県の済生会栗橋病院副院長で、NPO法人医療制度研究会副理事長の本多宏医師。全国どこでも医師が不足している事実。都市部でも不足。医師が偏在しているのではなく、全県で0ECD平均を下回り、日本では0ECD平均では38万人医師が必要だが、現状は26万人で12万院足らない。国は毎年3から4千人ふやすというが、追いつくのには30年もかかる。医師不足は、国の医療費抑制政策を1983年以来とってきたことが、原因。医学部の募集定員をへらしたことが、いまの医師不足の原因。国が昭和23年につくった標準医師数にてらして、近畿87%、東海では70%の充足率。都会でも医師が足らないのに、地方にまわせないのが現状。そしていま、医師は一人で何役もこなして過重労働で医療ミス、過労死につながっている現状報告。いま、産科や小児科、外科などの医師のなり手が不足。このままでは、かんたんな盲腸の手術もうけられなくなる。このままでは医療は崩壊する。と現状を警告。本多先生からは、医療をめぐる情報を広く国民に伝え、医師をふやす運動をすすめようと提起があった。先生の著作『誰が日本の医療を殺すのか 医療の知られざる真実』を是非読んで、医療崩壊をくいとめ、日本をすくうために行動しなくては。

妊婦のたらいまわし事故も、救急医療にたずさわる医師が不足しているからだとわかった。産婦人科の女医さんは全国で320人。そのお一人が会場から発言された。『私は、子育て、家事は親に丸投げ、教育は学校に丸投げ。こどもが荒れたら医師はできない。親の介護の時もできない。20代の妊婦の7割が女医に診てもらいたいと希望している。女医は独身なら何とでも働けるが結婚したらできない。こどもを産んだことのないのに何がわかるかといわれることもあり、女医は割りにあわない。』

第一赤十字病院の内科医は、『救急を周辺の病院がやらなくなって、当院に集中し過剰な勤務になっている。最終的なジャッジが求められる患者を60人も診るのは大変だ。研修医が20人ぐらいくるが、皮膚科や眼科に行く。勤務医が不足している。奈良の事件も医者がいればおきなかった。国は現場に責任を押し付けている。定員不足とともに、補充を求められる科の医者が足らないまま。インセンテイブの働く施策をとらないと良くならない。』と発言。守山から医療生協の元理事の山本さんが市民病院の産科が廃止される問題で、署名をとっているが医師確保をどうしたらよいかと本多先生に質問。国に対して、議会から意見書を出してはと助言があった。(写真は、質問する山本さん)1006simibyouin

名古屋市議会では、9月議会で医師を確保する事を国に要請する意見書を全会一致で可決しました。私は、このつどいに参加して、いまの医療崩壊の現実、医師が12万人も足らないが、国は3~4000人しか増やそうとしていないこと、国の医療費抑制政策をあらためないと医師不足が解決しないこと、現状を広く知らせることが大切だと痛感しました。来年4月からの守山市民病院の産科中止から産科の継続を求める、大運動を市民の多くのみなさんとすすめることが最大の課題。12月に守山で地域の医療をまもるシンポジウムを計画します。

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コメント

 わたしも行きました。本田先生の、データをいっぱい使っての分かりやすい説明で、たくさん勉強できました。日本の医師不足が、既に限界を超えて崩壊に向かっていることが、よく分かりました。
 国が医療に、「お金を出さない」「医師を増やしていない」など、深刻になっている「医療崩壊」の原因が国にあったんですね。
 しかも、「標準医師数」というのが、終戦直後の1948年(昭和23年)に決めたままという。医療水準の向上は、例えば脳や心臓の手術なんかは「昔では考えられない」ような水準にあること、何時間もかかる手術なのに、医師が増えていない。高度な医療をするのに、「月に5回も当直で家に帰れない」など、医師は家族を犠牲にすることもあると言います。勤務が長くてきつい、給料が安いなど待遇も悪いんですね。そのため、「医師のなり手が少ない」そうです。
 で、医師の給料が安いから病院が儲かっているかというと、「そうではない」というのです。国が診療報酬を切り下げたために、「収入が減った」と言います。だけど、患者からしたら診療代は増えていますね。国が出さない分を、医師や看護師、病院そして患者が負担していることになりますね。でも、もうそれも「限界」ですよー。
 この「医療崩壊」を正すには、国の政治を変えるしかありません。患者は、主権者でもあるんですよ。
 次の選挙は、いつかな。誰を選ぼうか?

投稿: ゆうたろう | 2007年10月15日 (月) 18時28分

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